NHK ラジオ深夜便 今日の誕生花と花言葉 5月19日
ヒナゲシ(雛罌栗・ケシ科)
花言葉 : 慰め・罌粟(芥子:けし)科。
・学名 Papaver rhoca (雛罌粟)
Papaver nudicaule(アイスランドポピー)
Papaver orientale(オリエンタルポピー)
Papaver dubium (長実雛罌粟)
Papaver : ケシ属
nudicaule : 裸茎の
orientale : 東洋の、東方の
dubium : 不確実の、疑わしい
Papaver は、ラテン語の古名の
「papa(幼児に与えるお粥(かゆ)」が語源。
ケシ属の乳汁に催眠作用があるため、
乳汁を粥に混ぜて子供を寝かしたことに由来。
また、花弁が薄いので、
紙のパピルスに似ていることが由来、とも。
・開花時期は、 4/ 5頃~ 6/15頃。
早咲き遅咲きがある。
・ヨーロッパ原産。江戸時代に渡来。
・花弁は非常に薄く、しわがある。
つぼみは最初は下向きで表面に毛が生えており、
咲くときに顔を上げ、2つに割れて花が出てくる。
その風情がなんとも不思議。
・ちまたに咲いている雛罌粟からは、
採取が禁止されている「アヘン」は取れません。
植えても大丈夫です。ご安心を。
ちなみに、ほんとの「ケシ」は こちら。
→ ケシ
・いろんな「ポピー」があるが、
まとめて1ページにしてみました。
いろいろあります。
(1) ヨーロッパ産の「ヒナゲシ」。
(2) 地中海産の「鬼ゲシ」(オリエンタルポピー)
Oriental poppy
(濃い赤い色のものが中心)。
(3) 黄、橙、白の「アイスランドポピー」。
→ 18世紀に北極探検隊がシベリアで
この花を発見したことから。
ポピーといえば、このアイスランド
ポピーのことを指すことが多い。
Iceland poppy, Auctic poppy
(4) 4~5月頃によく見かけるオレンジ色の花は、
「長実雛罌粟(ながみひなげし)」と呼ぶ。
いずれも英名の「ポピー」の名で親しまれる。
なお、スペインでは「アマポーラ」、
フランスでは「コクリコ」の名で呼ばれる。
・「罌粟」は「芥子」とも書く。
・「雛」は小さい、かわいいの意で、ケシの中では
小型でかわいい花であることから。
漢字の罌粟(けし)は漢名からで、
実の形が罌(もたい。液体をいれる口のつぼんだ
甕(かめ))に似ていて、
種子が粟(あわ)に似ているから。
種子は非常に小さく、そこから
「芥子粒(けしつぶ)」の言葉ができた。
・別名 「虞美人草」(ぐびじんそう)
中国歴史上の絶世の美女である虞美人に
たとえた(下記参照)。
「ポピー」
英語で「ケシ」を意味するが
日本に咲くポピーからは
アヘンの成分のモルヒネは採れないので
栽培できます。
★<古代中国のお話-「虞美人草」>
項羽(こうう)と劉邦(りゅうほう)の
最期の戦いのとき、項羽は愛する虞妃(ぐき)と
ともに劉邦の大軍にまわりを包囲された。
項羽は別れの宴を開いてから最後の出撃をし、
虞妃も自刃して殉じたが、
彼女のお墓にヒナゲシの美しい花が咲いた。
そのため人々はこの花を
「虞美人草(ぐびじんそう)」と呼んだ。
(悲しいお話です)
また、夏目漱石の小説に「虞美人草」がある。
漱石が新しい小説のタイトル名を決めあぐねていた
ときに、街角の花屋さんで見た「虞美人草」の名に
”おっ、いい名前♪ これにしよう”ということで
名づけた、ということらしい。
・似ている花へのリンク チューリップ 花菱草
・「ケシ」シリーズ
雛罌粟 ヒマラヤの青い罌粟 利尻雛罌粟
白雪芥子
・「七味唐辛子(しちみとうがらし)」シリーズ
唐辛子
季節の花 300 より 画像も